おび
装束を着る時に、腰のあたりに巻いて結ぶ細長い布のこと。能・狂言で用いられる帯は「腰帯」という名称のものが最も多く、役柄によって色柄はさまざまだが、僧などに用いる「緞子腰帯」、男役に用いる「紋付腰帯」、女役が用いる「縫入腰帯」や「胴箔腰帯」、龍女などが用いる「鱗腰帯」等がある。舞台では、腰帯の端が演者の腰の前に垂れ下がっているのを見ることができる。その他には、狂言の女役が着流しの際に用いる「女帯」、狂言で布羽織を着る場合等に用いる「三尺帯」などがある。また、ここで取り上げた「帯」とは異なるが、能の女役の仮髪の上から締める細長い帯を「鬘帯」という。