いっちょう
能の打楽器(小鼓、大鼓、太鼓)一人と、謡一人で演奏すること。囃子は常とは変わって一段と技巧を凝らしたものとなり、謡も囃子の演奏を生かすように謡う。囃子と謡の魅力を十分に楽しむことができる演奏形式である。一調の変種には「一調一声」「一調一管」「無謡一調」がある。「一調一声」は、一調の拍子に合う謡の部分と、拍子に合わない一セイの部分が演奏される。このため、常の一調よりも難易度が一段と高いものとされる。「一調一管」は笛一人に打楽器一人、謡一人(入らないこともある)で演奏するもの。「無謡一調」は打楽器が独奏するものだが、上演は極めて稀である。