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乱拍子


らんびょうし

能の舞事のひとつ。能「道成寺」の前シテ・白拍子(しらびょうし)が特殊な足遣いで舞う舞のこと。恨みの籠った鐘を目指して寺の石段を一段一段登る様子を表わしているともいわれる。裂帛(れっぱく、絹を引き裂くような鋭い悲鳴)の気合と静寂がない交ぜになった独特な譜を小鼓のみで奏し、笛があしらう。中世の芸能にあった乱拍子を能が取り入れたものといわれ、金春が「道成寺」、観世が「檜垣(ひがき)」、宝生が「草紙洗小町(そうしあらいこまち)」、金剛が「住吉詣(すみよしもうで)」(喜多は「横笛」という)で乱拍子を専有していたとされるが、後に各流儀とも「道成寺」で舞うようになり現在に至っている。

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