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白垂


しろたれ

演者の頭部につける「かつら」の一種で、白毛の「垂」のこと。「垂」とは、直径10センチほどの輪に真っすぐな馬毛を編み付けて製し、輪の部分を頭頂部に載せて用いる。毛は肩の下に来るほどの長さがあり、顔にかかる部分は毛を植えない。「垂」をつけると頭頂の輪の真ん中が空いた状態で見えてしまうため、必ず烏帽子の類を着る。能では「遊行柳」や「実盛」の後シテなど、神さびた老体や老武者などの役に用いる。狂言では稀にしか用いないが、「野老(ところ)」のシテなど老体の役で使うこともある。白垂の変わった用途としては、能「殺生石」などで高僧が持つ払子(ほっす)の毛として使ったり、狂言「牛馬」で竹杖の先に結びつけて馬を表すなどの例がある。垂には色の黒い「黒垂」もあり、若い男女の神や若武者などに用いる。

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