のうほん
能の上演台本、脚本の古称。能本も謡本も詞章を記す点は共通するが、「謡本」は謡を学ぶための稽古本的な性格を持つのに対し、能本には時に演出の注記も見られるなど、能を演じるための台本として捉えられる。世阿弥は「能の本」とも「謡の本」とも呼んだ。現存する最古の能本は室町時代(15世紀前半、応永年間)の世阿弥自筆能本で、観世家に「難波」「布留」「松浦」「阿古屋松」など4曲が伝来、金春家に「盛久」「多度津左衛門」「江口」「雲林院」「柏崎」の5曲が旧伝した。
能の上演台本、脚本の古称。能本も謡本も詞章を記す点は共通するが、「謡本」は謡を学ぶための稽古本的な性格を持つのに対し、能本には時に演出の注記も見られるなど、能を演じるための台本として捉えられる。世阿弥は「能の本」とも「謡の本」とも呼んだ。現存する最古の能本は室町時代(15世紀前半、応永年間)の世阿弥自筆能本で、観世家に「難波」「布留」「松浦」「阿古屋松」など4曲が伝来、金春家に「盛久」「多度津左衛門」「江口」「雲林院」「柏崎」の5曲が旧伝した。