ふうしかでん
能を大成したと言われる世阿弥が、亡父観阿弥の教えをもとに自身の思想を加えて著した能楽論書。一般には「花伝書」として知られる。7編からなり、有名な「秘すれば花」の言葉も記される。室町時代前期の応永年間(1394-1428)に成立、長らく秘されていたが、明治42年(1909)に歴史・地理学者で文学博士の吉田東伍(1864-1918)によって発見・翻刻・出版され、観阿弥・世阿弥が世に評価されるようになった。一座繁栄のための秘訣が幅広く記されており、能楽関係者にとどまらず、教育関係者や経営者などにも幅広く読まれている。