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町入能


まちいりのう

江戸時代、天皇の命を受けて朝廷が征夷大将軍を任命する将軍宣下や婚礼、世嗣誕生など、大切な慶事・行事に行われた能で、江戸の町人に観覧を許したもの。江戸城本丸の表舞台で行われる能の第1日目に5000人余が選ばれた。脇正面の白州に一度に2500人が詰め込まれて非常に混雑したことが錦絵にも描かれている。参加者には傘一本、酒、菓子、銭一貫文が下され、将軍が出座すると「親玉!」「日本一!」などの声があがったという。町入能の様子を詠んだ川柳に「江戸中へさしてわかれる有難さ」「町入も鐘入もある御番組」などがあり、将軍家の慶事を江戸の町全体で祝った様子が窺える。

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