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摩多羅神


またらじん

天台宗で常行三昧の行を行うための仏堂・常行三昧堂を守護する神。常行堂の本尊は阿弥陀如来だが、堂の背後にあって悪魔調伏の秘法が行われる後戸にこの神が祀られる。詳しいことが分からない謎の神であるが、左手には鼓を持ち、猿楽者は自らの守護神として尊崇するなど、芸能と密接な関係が窺われる。観阿弥・世阿弥父子らが尊重して勤仕した奈良県桜井の多武峰・談山神社には、常行堂の後戸に摩多羅神として白色の翁面が祀られている。この神の祭りとしては、京都太秦・広隆寺の牛祭、岩手県平泉・毛越寺の二十日夜祭などが知られ、毛越寺に伝わる延年は二十日夜祭の最後に常行堂で摩多羅神に奉納される。

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