なぎなた
小道具のひとつ。反りのある刀身を、長い柄の先につけた武具。柄の長さは5尺(150センチ)程度、むき出しの刃も含めた全体では6尺5寸(2メートル弱)程度である。刃は木製で銀箔などを貼るものが多い。柄の断面は楕円形で、舞台では刃の向きを一定に保つのにも役立つ。装飾は様々で、梨地などに蒔絵された華麗なものもある。刃と柄の境には楕円形で小さめの鍔を付け、鍔下の持ち手部分には滑り止めの凹凸をつける。通常は右手に持ち、柄の端の石突を床に突いて縦に持つが、柄を肩に担いだり、脇に掻い込んだり、左右の手に持って薙ぎ払う型をするなど、太刀よりも華やかな型ができる。刃と柄の上下に分解できるものが多く、運搬しやすくなっている。役によっては一層大ぶりな「大長刀」を用いることもある。