じっさく
古い時代の面打（能面作者）の格付けのひとつで、南北朝から室町時代に活躍したという10人のこと。「神作」に次ぐ名工とされる。また、その作者が打った（制作した）と伝わる古面のこと。1797（寛政９）年に喜多流９世の喜多七大夫古能（1742－1829）が著した『仮面譜』は十作として、日光、弥勒、赤鶴、辰右衛門、日氷、夜叉、小牛、越智、文蔵、徳若をあげる。伝書によって人物に多少の違いがあり、石王兵衛や三光坊をいれることもある。日光は僧、弥勒は仏師で翁面を打ったとされ「神作」に近いが、赤鶴以下は実在した面打とされている。
