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能面


のうめん

能で用いる面のこと。「式三番(翁)」に用いる翁面、老人の表情を表す尉面、公達や武将などの男面、女面、鬼神面、妖精・精霊などの面に分類される。基本型は約60種類、細かく分類すると200数十種ある。シテ方の各宗家に伝来した室町時代頃に制作された面を本面といい、新しい面も本面を基準として制作される。先行芸能の翁舞の面である翁面は、鎌倉時代~南北朝時代に制作されたものもある。能役者は能面を演目の位を定めるものと位置づけ、「おもて」と呼んで尊重し、楽屋での扱いも大変厳重である。また、面を顔につけることは「面を掛ける」という。素顔で演じる役柄も「直面(ひためん)」と言い、面を掛けているのと同様に演じられる。素材は木材がほとんどで、室町時代は様々な樹種を用いているが、それ以降は桧(特に木曽桧が良材)が多い。彫刻が完成すると日本画の材料等で彩色し、裏面には保護と美観のために漆を塗ることが多い。

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