金春流[太鼓方]
こんぱるりゅう[たいこかた]
太鼓方の流派のひとつ。惣右衛門流ともいう。流祖は金春禅竹の伯父にあたる金春三郎豊氏(1458年没)で、太鼓方観世流の流祖である観世与四郎吉国(1440-1493年)は門人。累代を経て、五世彦三郎長詰(宗意)が川井惣右衛門と名を変え、子の六世惣右衛門一峰(宗岸)が徳川家康に召し抱えられて以降、度々惣右衛門流と称した。江戸時代は主として金春の座付を務めた。維新後、一時宗家が絶えたが、熊本の増見家から入った二十一世金春惣右衛門国泰(1897-1942年)により1916年に再興された。元々は気迫の強い激しい芸風であったというが、宗家再興以降、繊細な中にも華やかな芸風を持つようになった。現在の演者は東京、大阪など全国で活動している。