分類(カテゴリー)「実技」の能楽用語

馬手(めて)

馬の手綱をとる右手のこと。転じて右側のこともいう。対義語は弓を持つ左の手のことをいう「弓手」(読みは...

弓手(ゆんで)

弓を持つ左の手のこと。転じて左側のこともいう。読みは「ゆみて」の音便で「ゆんで」。対義語は馬の手綱を...

花鏡(かきょう)

能の伝書。一巻。能を大成したとされる世阿弥(1363[貞治2]年~1443[嘉吉3]年)が、父・観阿...

復曲(ふっきょく)

能は200前後の演目が「現行曲」として上演されている。現行曲は能の各流派の家元が江戸幕府に上申した報...

張扇(はりおうぎ)

能狂言の稽古の際に拍子を取るための道具。2本一組で、欅などの堅木で作る拍子盤(張盤)を打って音を出す...

上端(あげは)

能の小段落「クセ」の中程にある短い役謡(やくうたい)のこと。上音(じょうおん)で謡う。また、この役謡...

アゲハ(あげは)

能の小段落「クセ」の中程にある短い役謡(やくうたい)のこと。上音(じょうおん)で謡う。また、この役謡...

申楽談儀(さるがくだんぎ)

能の伝書。『世子六十以後申楽談儀(ぜしろくじゅういごさるがくだんぎ)』。能を大成したと言われる世阿弥...

合掌(がっしょう)

能狂言の型のひとつ。対象を尊んで崇める時や弔う時に行うもので、両肘を軽く張るようにして両腕を胸の前に...

トメ(とめ)

能狂言の型のひとつ。仕舞などで舞い留める型のこと。「シトメ(仕留)」「トメ(留)」「納メ」など、流派...

納メ(おさめ)

能狂言の型のひとつ。仕舞などで舞い留める型のこと。「シトメ(仕留)」「トメ(留)」「納メ」など、流派...

シトメ(しとめ)

能狂言の型のひとつ。仕舞などで舞い留める型のこと。「シトメ(仕留)」「トメ(留)」「納メ」など、流派...

ウケル(うける)

能狂言の型のひとつ。対象となるものの方向に向くこと。右側に向くことを「右ウケ」、逆を「左ウケ」という...

(みの)

装束の一。防水、防雪、防寒などの目的で身体を覆う外被のこと。強靭な植物の繊維で作り、上部は編んで、下...

竿(さお)

能狂言に用いる道具。素材は竹で、相応しい種類の竹の美しい部分を選んで用いる。「八島/屋島」前シテの漁...

回リ返シ(まわりかえし)

能・狂言の型のひとつ。約1回転半、左回りすること。回リ返シの後には正面をサシ、続いて右回りを1回転し...

サシ(さし)

能・狂言の型のひとつ。扇や手で前方を指す型で頻繁に用いられる。具体的に何かを指し示す場合と、特に対象...

勧進帳(かんじんちょう)

寺社造営などのために寄進を求める趣意書のこと。能「安宅」の小書の名称。山伏に扮して逃亡する源義経一行...

(つえ)

能狂言では多くの杖が用いられる。演出のためのもので、演者の体を支えるものではない。主に竹を素材とする...

ツク(つく)

あらゆることで重なることを嫌う。その重なることを指して「ツク」という。何かの事由でツいてしまう場合は...

斬組ミ(きりくみ)

大勢の武士が戦闘の場面で見せる斬り合いのこと。「正尊」「烏帽子折」などにある。斬られた者は、安座また...

能本(のうほん)

能の上演台本、脚本の古称。能本も謡本も詞章を記す点は共通するが、「謡本」は謡を学ぶための稽古本的な性...

ヒネル(ひねる)

能楽の基本動作のひとつ。立った状態で向きを変える動作。まず両足を揃えて立ち、向きを右に変える時には、...

カケル(かける)

能楽の基本動作のひとつ。立った状態で向きを変える動作。まず両足を揃えて立ち、向きを右に変えるには、左...

鏡扇(かがみおうぎ)

能・狂言の型のひとつ。開いた扇の要を右手でつまむように持ち、身体の右側から大きく回すようにして身体の...

謡事(うたいごと)

謡・囃子・所作からなる能の演技のうち、謡が主となる部分のこと。謡のリズム型は拍子に合って謡う「拍子合...

カカリ(かかり)

舞の冒頭部分のこと。中之舞や神舞、早舞などの舞は三段(または五段)構成で、はじめの段を初段というが、...

片地(かたじ)

謡や囃子で拍子に合う部分のリズムは八拍を一単位とするのが基本で、これを「本地」という。また、謡の文字...

オクリ(おくり)

謡や囃子で拍子に合う部分のリズムは八拍を一単位とするのが基本で、これを「本地」という。また、謡の文字...

トリ(とり)

謡や囃子で拍子に合う部分のリズムは八拍を一単位とするのが基本で、これを「本地」という。また、謡の文字...

本地(ほんじ)

謡や囃子で拍子に合う部分のリズムは八拍を一単位とするのが基本で、これを「本地」という。また、謡の文字...

大癋面(おおべし)

後シテが登場する際に奏する囃子事。大癋見など、威猛な面をかけた天狗や魔王等が重々しく登場する場面で豪...

小道具(こどうぐ)

舞台で用いる道具のこと。面・仮髪・装束は含まない。手に持つものは「持ち道具」、身につけるものは「帯道...

狂言謡(きょうげんうたい)

狂言の演者が謡う謡。狂言の酒宴の場面などで謡う短い謡の「小謡」、狂言の中で謡ったり、独立して舞う時に...

(つゆ)

広袖の装束の袖下に付けた紐の、床に着くほどに垂らした部分のこと。狩衣の袖口には長い紐(露紐)が通され...

(ふし)

謡の用語。謡で節付されている部分、またはその旋律のこと。対するのは節付のない「コトバ(詞)」で、謡本...

三遍返シ(さんべんがえし)

能の「次第」が変則的に三度謡われること。通常の「次第」は、登場した演者が七五調三句の「次第」を謡い、...

和吟(わぎん)

謡の用語。流派によって意味が異なり、観世流ではヨワ吟の部分にツヨ吟の気持ちを(その逆もある)込めて謡...

中吟(ちゅうぎん)

宝生流で使われる謡の用語。ツヨ吟とヨワ吟を短い間に交互に用いて謡う謡い方、またその部分のこと。複雑な...

地拍子(じびょうし)

謡のリズムの法則のこと。拍子に合う「拍子合」の謡に適用される。リズムの型式には、平ノリ、中ノリ、大ノ...

ウキ(うき)

謡の音階の名称。基準音階である中音と上音の間、上音とその上のクリ音との間などにある。ウキ音に音の高さ...

離見(りけん)

世阿弥の能楽論にみえる用語。演者が自分自身の視点から離れ、距離をおいて客観的に己や舞台全体の様子を観...

構エ(かまえ)

演技の基本となる姿勢のことで、「運ビ」とともに重視される。身体にブレがなく、どのような状況でも安定し...

カカル(かかる)

謡や囃子が勢いづいて力を強めたり、テンポを速めたりすること。流儀・流派によって、謡が拍子不合から拍子...

八拍子(やつびょうし)

8拍を一単位とするリズム構造のこと。能の最も基本的なリズムであり、拍子に合う謡は、謡のどの文字が何拍...

名ノリ笛(なのりぶえ)

一曲の冒頭、ワキの登場に際して奏する笛のこと。ワキの役柄やワキツレの有無によって真・行・草の三種類が...

ユリ(ゆり)

引いた声を揺らして装飾的に謡うこと。本ユリ、半ユリ、三ツユリなどのほか、謡を彩る細かなユリもある。本...

離見の見(りけんのけん)

世阿弥が能楽論書「花鏡」で述べた言葉。演者が自らの身体を離れた客観的な目線をもち、あらゆる方向から自...

呂中干(りょちゅうかん)

能の舞は八拍がひとつの小節(一クサリ)で、「中之舞」「神舞」「早舞」「序之舞」などの基本の楽節である...

弓流(ゆみながし)

能「八島(屋島)」の小書(通常とは異なる特別な演出)のひとつ。源平の屋島の戦の時、源義経が自身の弱い...

ツヅケ謡(つづけうたい)

平ノリ謡の謡い方のひとつ。ほぼ均等な拍に乗って謡うもので、リズムを重視した躍動的な謡い方。ツヅケ謡で...

三ツ地謡(みつじうたい)

平ノリ謡の謡い方のひとつ。リズムに強く縛られず、詞の伸び縮みにも対応しやすいため、詞章を生かして謡う...

平家(へいけ)

「平家物語」を琵琶の伴奏で語る語り物を、平曲または平家(平家琵琶)というが、この声節を模した狂言の謡...

拍子不合(ひょうしあわず)

謡がリズムに乗ることを拍子合、乗らないことを拍子不合という。拍子合の謡には「次第」「下歌」「上歌」「...

拍子合(ひょうしあい)

謡がリズムに乗ることを拍子合、乗らないことを拍子不合という。拍子合の謡には「次第」「下歌」「上歌」「...

ヒラキ(ひらき)

謡や型で「解放」という意味を持つ用語。具体的には、型では、腕を身体の横に開きながら、数足さがり、開い...

開き(ひらき)

謡や型で「解放」という意味を持つ用語。具体的には、型では、腕を身体の横に開きながら、数足さがり、開い...

込ミ(こみ)

謡や囃子、型など、様々な場面で重視される「間」のこと。音として外には出ない事が多く、演者の内側で「ツ...

コミ(こみ)

謡や囃子、型など、様々な場面で重視される「間」のこと。音として外には出ない事が多く、演者の内側で「ツ...

カケ声(かけごえ)

能の打楽器(小鼓・大鼓・太鼓)で、演者が発する声のこと。基本的に「ヤ」「ハ」「ヨーイ」の3種がある。...

掛声(かけごえ)

能の打楽器(小鼓・大鼓・太鼓)で、演者が発する声のこと。基本的に「ヤ」「ハ」「ヨーイ」の3種がある。...

ツメル(つめる)

演者が左足・右足(右足・左足のこともある)と、二足しっかり前に出ること。三足出ることもある。能・狂言...

無言事(しじまごと)

能の演出のひとつ。通常、謡や囃子を伴う部分を、所作だけで演じること。静まり返る舞台で演者の動きだけが...

手付(てつけ)

打楽器の楽譜のこと。小鼓、大鼓、太鼓が奏するリズム単位を「手(て)」といい、これを接続して組み合わせ...

型付(かたつけ)

能・狂言で、曲ごとに定められた演じる型(動き)のこと。また、それを曲ごとに記した書物。流儀・流派ごと...

地取リ(じとり)

能の謡事(一曲の中で謡が主となる部分)の「次第」に続けて地謡が謡う謡。3句を定型とする次第の、第2句...

地頭(じがしら)

地謡の統率者・責任者のこと。能には指揮者がおらず、謡も絶対音高が決まっていない。そのため地頭は、謡の...

独吟(どくぎん)

謡の聞かせどころを、一人で舞台に座って謡うこと。囃子は伴わない。「玉之段」(海人/海士)、「鵜之段」...

読物(よみもの)

能「安宅」にある「勧進帳」、「正尊」の「起請文」、「木曾」の「願書」とそれぞれ称する部分を読物といい...

問答(もんどう)

役と役とが詞(ことば)を交わし、その内容を聴かせることが演技の眼目となる場面のこと。文体は、韻律をも...

ノット(のっと)

「祝詞(のりと)」の意で、漢字で表記することもある。神職や巫女の役が、神を祭って祈るときに神前で謡う...

衣紋づけ(えもんづけ)

装束の着方のひとつ。丸型をした衿を盤領(あげくび/まるえり)といい、狩衣などの装束にみられるが、この...

絞上げ(しぼりあげ)

装束の着方のひとつ。素袍や直垂などの袖をたくし上げ、両袖の中を通した紐を背中(首の後ろ)で引き絞って...

肩上げ(かたあげ)

装束の着方のひとつ。水衣や法被などの両肩部分をつまんで首元に寄せ、袖をたくし上げて着る着方。活動的な...

肩脱ぎ(かたぬぎ)

装束の着方のひとつ。表着の片袖を脱ぐこと。特に、太刀や弓矢を持つ武将の出で立ちに用いる着方。法被や長...

脱下げ(ぬぎさげ)

装束の着方のひとつ。姥着けにした唐織の右袖を脱いで後へ垂らした着方。着付の摺箔が右上半身だけ見えた姿...

姥着け(うばづけ)

装束の着方のひとつ。表着である唐織などを着流しに着て、胸元の衿を大きく広げずに合わせた着方。姥の役に...

壺折(つぼおり)

装束の着方のひとつ。表着である唐織などの裾を膝上ほどの高さにし、両衿を胸の前でゆったり湾曲させた着方...

追い込み(おいこみ)

狂言の終曲(留め)の演出形式のひとつ。「追い込み留め」の略。片方が「ご許されませご許されませ」と言っ...

ノリ(のり)

能・狂言の演技全般のテンポやリズム感などに関する用語。「乗」とも書く。「ノリが良い(悪い)」「ノリを...

翁付(おきなつき)

はじめに式三番(翁)を演ずる番組構成のこと。能が式楽となった江戸時代には、翁付五番立の上演形式が正式...

仏倒れ(ほとけだおれ)

死んだり気を失ったりした様子を表す演技。演者が後ろに反り返り、あたかも仏像を後ろに倒すかのように仰向...

打合セ(うちあわせ)

両腕を一旦開いた後、両手を胸の前あたりで合わせる型。驚きや気付き、決意などを表現する。...

中入り(なかいり)

一曲が前場・後場の構成を取る場合、登場人物が面や装束などを変えるため、一旦、幕・または作り物の中に入...

カケリ(かけり)

修羅道(しゅらどう)の苦患(くげん)を受ける武士、狂乱した女性、妄執にとらわれた人物など、異常な状態...

着座(ちゃくざ)

演者が舞台上の定位置に座ること。例えば、ワキ座に座ることを「ワキ座に着座する」、または「ワキ座に座着...

小書(こがき)

能、狂言の特別な演出のこと。番組の曲名の左脇に、演出の名称が小さく表記されることから「小書」という。...

アシライ(あしらい)

漢字では「会釈」と表記する。非常に広い範囲で使われる用語だが、基本的には「応対する」の意。演技用語と...

ワキ留め(わきどめ)

能は、シテが足拍子をふたつ踏む「留拍子(とめびょうし)」で一曲を終える(留める)ことが多いが、その留...

披キ(ひらき)

能楽師にとって節目となる習(ならい)の曲、または習の役を初めて演じること。習とは、特別に伝授を受けな...


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