分類(カテゴリー)「演出」の能楽用語

小町物(こまちもの)

平安時代前期の歌人で六歌仙のひとり、絶世の美女としても名高い小野小町を扱った演目のこと。「関寺小町」...

梨子打烏帽子(なしうちえぼし)

被り物の一種。軍装の武者などに用いる。「梨子打」はもともと「萎やし打ち」で、兜の下に被る柔らかい烏帽...

小結烏帽子(こゆいえぼし)

被り物の一つで、子方が用いる折烏帽子(侍烏帽子)の一種。折烏帽子を頭につける際、古くは髪を束ねた髻の...

剣先烏帽子(けんさきえぼし)

被り物の一種。「能にして能に非ず」と言われる神事・祈祷曲である「式三番(翁)」の中で、三番三(三番叟...

花鏡(かきょう)

能の伝書。一巻。能を大成したとされる世阿弥(1363[貞治2]年~1443[嘉吉3]年)が、父・観阿...

長範頭巾(ちょうはんずきん)

能の装束の一つ。被り物。能「熊坂」「烏帽子折」に登場する怪盗・熊坂長範に用いる。丸頭巾の一種で、側頭...

復曲(ふっきょく)

能は200前後の演目が「現行曲」として上演されている。現行曲は能の各流派の家元が江戸幕府に上申した報...

鳥蓑(とりみの)

装束の一。蓑は、防水、防雪、防寒などの目的で身体を覆う外被のこと。蓑の中でも鳥蓑は猟師の役に用いる腰...

羽蓑(はみの)

装束の一。蓑は、防水、防雪、防寒などの目的で身体を覆う外被のこと。蓑の中でも羽蓑は猟師の役に用いる腰...

(おの)

能狂言の小道具のひとつ。斧は刃物の一種で、木を切ったり、割ったりするための道具。能「谷行」では後シテ...

長物(ながもの)

能狂言の小道具のひとつ。柄の長い武器をいう。能では「船弁慶」の後シテ・平知盛の亡霊などが持つ長刀、「...

長道具(ながどうぐ)

能狂言の小道具のひとつ。柄の長い武器をいう。能では「船弁慶」の後シテ・平知盛の亡霊などが持つ長刀、「...

申楽談儀(さるがくだんぎ)

能の伝書。『世子六十以後申楽談儀(ぜしろくじゅういごさるがくだんぎ)』。能を大成したと言われる世阿弥...

トメ(とめ)

能狂言の型のひとつ。仕舞などで舞い留める型のこと。「シトメ(仕留)」「トメ(留)」「納メ」など、流派...

納メ(おさめ)

能狂言の型のひとつ。仕舞などで舞い留める型のこと。「シトメ(仕留)」「トメ(留)」「納メ」など、流派...

シトメ(しとめ)

能狂言の型のひとつ。仕舞などで舞い留める型のこと。「シトメ(仕留)」「トメ(留)」「納メ」など、流派...

ウケル(うける)

能狂言の型のひとつ。対象となるものの方向に向くこと。右側に向くことを「右ウケ」、逆を「左ウケ」という...

(みの)

装束の一。防水、防雪、防寒などの目的で身体を覆う外被のこと。強靭な植物の繊維で作り、上部は編んで、下...

竿(さお)

能狂言に用いる道具。素材は竹で、相応しい種類の竹の美しい部分を選んで用いる。「八島/屋島」前シテの漁...

回リ返シ(まわりかえし)

能・狂言の型のひとつ。約1回転半、左回りすること。回リ返シの後には正面をサシ、続いて右回りを1回転し...

サシ(さし)

能・狂言の型のひとつ。扇や手で前方を指す型で頻繁に用いられる。具体的に何かを指し示す場合と、特に対象...

袴狂言(はかまきょうげん)

演者が面や装束をつけずに紋付袴姿で演じるものをいう。小道具や作り物の類は通常通り用いるほか、後見や地...

法螺貝(ほらがい)

狂言の小道具のひとつ。修験道の法具として山伏の役が持つことがある。巻貝の一種で、殻の先端の細くなった...

綿帽子(わたぼうし)

狂言で老尼などの役に用いる被り物。形状・着装は「花帽子」とほぼ同じで、頭部全体を包み、目と鼻、口の部...

垂纓冠(すいえいのかん)

天皇・貴族の役に用いる冠で、冠後部に立てる纓が後ろに弧を描いて垂れたもの。纓が直立する立纓冠(りゅう...

数珠(じゅず)

小道具のひとつ。仏教の僧が持つ法具で、多くの小さい珠を糸で繋げて輪にし、房をつけたもの。仏に向かうと...

勧進帳(かんじんちょう)

寺社造営などのために寄進を求める趣意書のこと。能「安宅」の小書の名称。山伏に扮して逃亡する源義経一行...

水桶(みずおけ)

小道具のひとつ。高さ・径ともに5寸(15センチ)前後の円筒形の木桶で、ヒノキなどの薄板を曲げる曲わっ...

(つえ)

能狂言では多くの杖が用いられる。演出のためのもので、演者の体を支えるものではない。主に竹を素材とする...

鉄輪(かなわ)

能「鉄輪」に用いる小道具。鉄輪とは、鉄で作る三脚の五徳(鍋などを火の上で支える器具)のことで、平安時...

鉄輪戴(かなわだい)

能「鉄輪」に用いる小道具。鉄輪戴とは、鉄で作る三脚の五徳(鍋などを火の上で支える器具)のことで、平安...

三鬼女(さんきじょ)

後シテが鬼女である『葵上』『黒塚(安達原)』『道成寺』の三曲の能のこと。いずれも般若面を掛けるが、『...

三卑賤(さんひせん)

猟師や漁夫をシテとする能のうち、生業のために殺生の罪を重ね、死後は地獄に落ちて苦しむ様を表す『阿漕』...

三修羅(さんしゅら)

戦とともに一生を送り、死後、修羅道に堕ちたとされる武者の姿を描く「修羅物」(二番目物)のうち、内容が...

模様大口(もようおおくち)

大口袴の略称を大口というが、通常は白地(白大口)、または色地(色大口)でいずれも無地である。これに対...

紋大口(もんおおくち)

大口袴の略称を大口というが、通常は白地(白大口)、または色地(色大口)でいずれも無地である。これに対...

三重棚(さんじゅうだな)

祈祷棚の作り物。能「鉄輪」のみに用いる。上段の四隅には小さな幣(ぬさ)を立てて結界を張り、夫と後妻の...

唐冠(とうかんむり)

被り物の一種。黒色の冠で、「鶴亀」「咸陽宮(かんようきゅう)」「鵜飼(うかい)」「張良(ちょうりょう...

袈裟(けさ)

装束の一。仏教の僧が法衣の上から身に着ける布製の衣。能では、高僧、出家した者、仏に帰依する者、刑死に...

腰蓑(こしみの)

装束の一。漁師や猟師、製塩のために海水を汲む汐汲みなど、賎しい生業に携わる役に用いる。通常のものは苧...

初冠(ういかんむり)

被り物の一種。神や帝王、貴族など高貴な男性の役に用いる。冠の後ろの細長い「纓(えい)」は役柄によって...

留守模様(るすもよう)

源氏物語などの古典文学、能狂言等の登場人物を表さず、象徴となる背景や持ち物・小道具などの意匠でその作...

人数物(にんずうもの)

登場人物が多く、華やかな舞台面が楽しめる演目のこと。能の登場人物で人数が少ないものはシテとワキの2名...

式能(しきのう)

公的な儀式として上演する能楽の催しのこと。江戸幕府で最も格式が高い能楽の催しとされ、将軍宣下をはじめ...

ツク(つく)

あらゆることで重なることを嫌う。その重なることを指して「ツク」という。何かの事由でツいてしまう場合は...

斬組ミ(きりくみ)

大勢の武士が戦闘の場面で見せる斬り合いのこと。「正尊」「烏帽子折」などにある。斬られた者は、安座また...

能本(のうほん)

能の上演台本、脚本の古称。能本も謡本も詞章を記す点は共通するが、「謡本」は謡を学ぶための稽古本的な性...

狂言面(きょうげんめん)

狂言で用いる面のこと。狂言は面を掛けずに演じる役柄が多いため、種類は能面よりかなり少ない約30種類で...

能面(のうめん)

能で用いる面のこと。「式三番(翁)」に用いる翁面、老人の表情を表す尉面、公達や武将などの男面、女面、...

太刀(たち)

刃長が2尺(約60センチ)以上の日本刀で、主に源平の武将や公達(諸王、王家の一族)等の役に用いる。柄...

鏡扇(かがみおうぎ)

能・狂言の型のひとつ。開いた扇の要を右手でつまむように持ち、身体の右側から大きく回すようにして身体の...

半畳台(はんじょうだい)

舞台に持ち出して据え置く作り物のひとつ。木製の台で、畳一枚分ある一畳台の半分の大きさ。高さは約7寸(...

長刀(なぎなた)

小道具のひとつ。反りのある刀身を、長い柄の先につけた武具。柄の長さは5尺(150センチ)程度、むき出...

静烏帽子(しずかえぼし)

被り物の一種。白拍子、特に「船弁慶(ふなべんけい)」の前シテ・静御前に用いる烏帽子。烏帽子の頂を折ら...

脚絆(きゃはん)

狂言で旅行や作業などをする役が足ごしらえのために脛につける布。狂言の脚絆は円筒形の布を脛に履き、膝下...

江戸段(えどだん)

段熨斗目の一種。太い色の横段に、細かい格子状の段が添えられているもの。細かい段は腰回りだけのことも、...

段熨斗目(だんのしめ)

装束の一種。身分のあまり高くない男役が装束の一番下の着付に用いる小袖で、横段のもの。太い色の段と白の...

ボウジ(ぼうじ)

包帯状の細長い布。美観や強度を増すため、竹製の作り物や棒状の小道具(道具の柄など)に巻く。無地は頻繁...

番組(ばんぐみ)

公演の演目の組み合わせ(上演順)、またはそれを記した小冊子のこと。演目を選ぶにあたっては、内容はもち...

脇狂言(わききょうげん)

正式な上演形式である「五番立」で、祝言性の高い脇能の次に演じるべきとされた狂言のこと。めでたさを強調...

謡事(うたいごと)

謡・囃子・所作からなる能の演技のうち、謡が主となる部分のこと。謡のリズム型は拍子に合って謡う「拍子合...

鐘吊後見(かねつりこうけん)

能「道成寺」で鐘の作り物を舞台に持ち出し、竹棹で天井の滑車に綱を通して鐘を吊り上げ、終曲に際しては鐘...

鐘吊(かねつり)

能「道成寺」で鐘の作り物を舞台に持ち出し、竹棹で天井の滑車に綱を通して鐘を吊り上げ、終曲に際しては鐘...

着流シ(きながし)

大口、半切などの袴類をつけず、唐織や縫箔などの小袖を着たままにした姿のこと。着物の裾を足に巻き付ける...

大癋面(おおべし)

後シテが登場する際に奏する囃子事。大癋見など、威猛な面をかけた天狗や魔王等が重々しく登場する場面で豪...

伝書(でんしょ)

古くからの能・狂言の家に代々受け継がれている書物。謡や型付を記した謡本や能本に留まらず、芸の秘伝や奥...

小道具(こどうぐ)

舞台で用いる道具のこと。面・仮髪・装束は含まない。手に持つものは「持ち道具」、身につけるものは「帯道...

狂言謡(きょうげんうたい)

狂言の演者が謡う謡。狂言の酒宴の場面などで謡う短い謡の「小謡」、狂言の中で謡ったり、独立して舞う時に...

面紐(めんひも)

面(おもて/めん)を演者の頭部に固定するために使う組紐のこと。しっかり結べてゆるみのこない絹製で、形...

能楽堂(のうがくどう)

能・狂言を上演するための専用の劇場。能舞台・見所(観客席)・楽屋などを備える。江戸時代末まで能舞台は...

稀曲(ききょく)

上演が稀な曲のこと。能・狂言はそれぞれ二百数十番の現行曲があるが、年に何回も上演される人気曲から、数...

頂頭懸(ちょうずかけ)

折烏帽子の上から掛けてあごの下で結ぶ紐のこと。赤地の金襴などを用いることが多く、頬の辺りで烏帽子の紐...

赤大臣(あかだいじん)

赤地の袷狩衣を着たワキツレのこと。「高砂」「賀茂」などの脇能に多く登場し、紺または紫地の袷狩衣を着た...

(ふし)

謡の用語。謡で節付されている部分、またはその旋律のこと。対するのは節付のない「コトバ(詞)」で、謡本...

三遍返シ(さんべんがえし)

能の「次第」が変則的に三度謡われること。通常の「次第」は、登場した演者が七五調三句の「次第」を謡い、...

和吟(わぎん)

謡の用語。流派によって意味が異なり、観世流ではヨワ吟の部分にツヨ吟の気持ちを(その逆もある)込めて謡...

中吟(ちゅうぎん)

宝生流で使われる謡の用語。ツヨ吟とヨワ吟を短い間に交互に用いて謡う謡い方、またその部分のこと。複雑な...

(はな)

舞台上の魅力のこと。世阿弥は自身の芸論で「面白さ」「珍しさ」と同じであると論じる。理想的な花としては...

連獅子(れんじし)

能「石橋」の小書のひとつ。曲の後半で通常は一体の獅子が登場するところ、この小書がつくと白頭の親獅子、...

老女物(ろうじょもの)

老女をシテとして描いた、「関寺小町」「檜垣」「姨捨」「鸚鵡小町」「卒都婆小町」の五曲のこと。老女物は...

霊験能(れいげんのう)

能の分類名のひとつ。人間が祈ったり、経典を唱えたりすることによって、神仏の不思議なしるしが現れること...

離見の見(りけんのけん)

世阿弥が能楽論書「花鏡」で述べた言葉。演者が自らの身体を離れた客観的な目線をもち、あらゆる方向から自...

乱曲(らんぎょく)

世阿弥の能楽論は、最高の芸位に達した演者の自在な境地を「闌(た)けたる位」とするが、その位をもって謡...

蘭曲(らんぎょく)

世阿弥の能楽論は、最高の芸位に達した演者の自在な境地を「闌(た)けたる位」とするが、その位をもって謡...

闌曲(らんぎょく)

世阿弥の能楽論は、最高の芸位に達した演者の自在な境地を「闌(た)けたる位」とするが、その位をもって謡...

乱序(らんじょ)

能の囃子事(一曲の中で、囃子が主となる部分)のひとつ。能「石橋」の後場の冒頭、獅子の登場に際して小鼓...

専用面(せんようめん)

特定の役に用いる能面のこと。能面には、若い女役一般に用いる「小面」のように役を限定しない使用範囲の広...

弓流(ゆみながし)

能「八島(屋島)」の小書(通常とは異なる特別な演出)のひとつ。源平の屋島の戦の時、源義経が自身の弱い...

裳着胴(もぎどう)

上半身が着付(装束の一番下に着る袖口が小さい小袖型の着物)だけで、法被や狩衣、長絹などの表着を着ない...

モギドウ(もぎどう)

上半身が着付(装束の一番下に着る袖口が小さい小袖型の着物)だけで、法被や狩衣、長絹などの表着を着ない...

ツヅケ謡(つづけうたい)

平ノリ謡の謡い方のひとつ。ほぼ均等な拍に乗って謡うもので、リズムを重視した躍動的な謡い方。ツヅケ謡で...

三ツ地謡(みつじうたい)

平ノリ謡の謡い方のひとつ。リズムに強く縛られず、詞の伸び縮みにも対応しやすいため、詞章を生かして謡う...

平家(へいけ)

「平家物語」を琵琶の伴奏で語る語り物を、平曲または平家(平家琵琶)というが、この声節を模した狂言の謡...

拍子不合(ひょうしあわず)

謡がリズムに乗ることを拍子合、乗らないことを拍子不合という。拍子合の謡には「次第」「下歌」「上歌」「...

拍子合(ひょうしあい)

謡がリズムに乗ることを拍子合、乗らないことを拍子不合という。拍子合の謡には「次第」「下歌」「上歌」「...

滅ル(める)

謡や囃子の音の状態を表す用語。「ハル(張ル)」に対して用いられ、音高が下がり弱まっている様子を表す。...

メル(める)

謡や囃子の音の状態を表す用語。「ハル(張ル)」に対して用いられ、音高が下がり弱まっている様子を表す。...

ヒラキ(ひらき)

謡や型で「解放」という意味を持つ用語。具体的には、型では、腕を身体の横に開きながら、数足さがり、開い...

開き(ひらき)

謡や型で「解放」という意味を持つ用語。具体的には、型では、腕を身体の横に開きながら、数足さがり、開い...

ヒシギ(ひしぎ)

能管の最高音域の鋭い緊張した音で、「ヒィー」と吹く片ヒシギと、「ヒーヤーヒー」と吹く双(もろ)ヒシギ...

盤渉調(ばんしきちょう)

笛の調子を表す名称のこと。もともと盤渉調は雅楽の六調子のひとつで、盤渉(洋楽のロ音)を主音とする旋法...

黄鐘調(おうしきちょう)

笛の調子を表す名称のこと。もともと黄鐘調は雅楽の六調子のひとつで、黄鐘(洋楽のイ音)を主音とする旋法...

張ル(はる)

謡や掛声の音高を高くすること。「もっとハッて」のように用いる。謡は上音・中音・下音が音階の柱になって...

ハル(はる)

謡や掛声の音高を高くすること。「もっとハッて」のように用いる。謡は上音・中音・下音が音階の柱になって...

込ミ(こみ)

謡や囃子、型など、様々な場面で重視される「間」のこと。音として外には出ない事が多く、演者の内側で「ツ...

コミ(こみ)

謡や囃子、型など、様々な場面で重視される「間」のこと。音として外には出ない事が多く、演者の内側で「ツ...

カケ声(かけごえ)

能の打楽器(小鼓・大鼓・太鼓)で、演者が発する声のこと。基本的に「ヤ」「ハ」「ヨーイ」の3種がある。...

掛声(かけごえ)

能の打楽器(小鼓・大鼓・太鼓)で、演者が発する声のこと。基本的に「ヤ」「ハ」「ヨーイ」の3種がある。...

女体(にょたい)

能の小書のひとつ。通常の演出では男の姿であるシテを、女の姿にして演じるやり方のこと。「殺生石」「竹生...

半能(はんのう)

能の略式上演方式のひとつ。ワキの登場の後、前シテの部分を全て省略してワキの待謡となり、後シテが出て後...

留め(とめ)

物事の終わりのこと。能・狂言の一曲の終わりのほか、舞などの終わりをさすこともある。能は、足拍子を2つ...

立合(たちあい)

流派の異なる演者が同じ舞台に集い、芸を競い合って演じること。別々の曲で競演する場合と、同じ曲中で相舞...

出シ置(だしおき)

能がはじまって囃子方と地謡が舞台に出た後、役者が幕から静かに出て所定の位置に着座すること。また、その...

雪月花(せつげっか)

冬の雪、秋の月、春の花(桜)のこと。四季折々の自然の景色の美しさを表わす言葉として、風流を愛でる日本...

無言事(しじまごと)

能の演出のひとつ。通常、謡や囃子を伴う部分を、所作だけで演じること。静まり返る舞台で演者の動きだけが...

小歌節(こうたぶし)

能・狂言の中で、室町時代の俗謡を取り入れたとされる部分のこと。「放下僧」「花月」「藤栄」などにあり、...

小歌(こうた)

能・狂言の中で、室町時代の俗謡を取り入れたとされる部分のこと。「放下僧」「花月」「藤栄」などにあり、...

掛合(かけあい)

役と役、または役と地謡が交互に謡う部分のこと。拍子に合わない形式で謡われる。シテとワキのように対立関...

替エ(かえ)

能・狂言で複数の演出がある場合に、通常とは異なるやり方を指す用語。番組の曲名の左脇に付記される「小書...

送り笛(おくりぶえ)

前場のシテが中入する場面で吹く笛のこと。主に夢幻能のシテが、橋掛りを通って静かに幕に入る際に笛だけで...

(えり)

装束を着る際、着付の下の首回りにつける布のこと。白を最も高貴な色として、赤、浅葱、萌黄、樺、紺など様...

一畳台(いちじょうだい)

舞台に持ち出して据え置く作り物のひとつ。木製の台で、大きさは畳一枚分、高さは約7寸(約20センチ)。...

手付(てつけ)

打楽器の楽譜のこと。小鼓、大鼓、太鼓が奏するリズム単位を「手(て)」といい、これを接続して組み合わせ...

型付(かたつけ)

能・狂言で、曲ごとに定められた演じる型(動き)のこと。また、それを曲ごとに記した書物。流儀・流派ごと...

語リ(かたり)

能・狂言で、過去の出来事や由緒などを、やや改まった調子で相手に物語ること。またその部分。語リの演技は...

(くらい)

能・狂言の演技・演出全般に関わる用語。「位が軽い」「位が重い」のように用い、謡・所作・囃子・面・装束...

キリ(きり)

物事の最後の部分をさす用語。能一曲の最後の部分をさし、「キリの謡」というように使う。また、一日の番組...

作り物(つくりもの)

能・狂言で、舞台に出し置かれる装置のこと。上演ごとに作って舞台に持ち出すことから「作り物」という。山...

居囃子(いばやし)

能一曲の主要となる部分を、囃子を入れて謡う上演形式。紋付・袴姿(裃姿のこともある)で座ったまま演ずる...

音取(ねとり)

能の特殊な囃子事(一曲の中で、囃子が主となる部分)のひとつ。翁付の能や老女物の能などで、一曲の始まり...

翁ナシ(おきななし)

翁付脇能の「翁」を省略した特別な演出のこと。本来「翁」を上演すべき格式の高い番組でありながら「翁」を...

半開口(はんかいこ/はんかいこう)

翁付の脇能のうち、ワキの次第の謡がない「玉井」や、役柄が「大臣」ではない「白楽天」など、通常の脇能と...

開口(かいこ/かいこう)

脇能の冒頭で登場したワキが、最初に能の筋とは無関係に当世を称えた謡を謡うこと。江戸幕府や禁裏、本願寺...

礼脇(れいわき)

翁付の脇能で必ず演じられる特別な演出のひとつ。一曲のはじめにワキが「置鼓」の囃子で登場し、常座で両手...

口開(くちあけ)

能の中で狂言方が勤める「間狂言(間・アイ)」の一形式。能の冒頭に登場したアイが、場面・状況の設定をす...

立廻リ(たちまわり)

能の働事(一定の意味がある所作に囃子がつくもの)のひとつ。演者が静かに舞台上を動きまわるうちに役の感...

蠟燭能(ろうそくのう)

蠟燭を灯して上演する能のこと。燭台を舞台の周囲に多数置き、和蠟燭を立てて灯りとする。蠟燭の背に白い和...

一調(いっちょう)

能の打楽器(小鼓、大鼓、太鼓)一人と、謡一人で演奏すること。囃子は常とは変わって一段と技巧を凝らした...

面箱(めんばこ)

能面・狂言面を納める箱のこと。特に、式三番(翁)の上演にあたって、白色尉・黒色尉、神楽鈴を納めて舞台...

一管(いっかん)

能の笛方が囃子事を独奏すること。常とは変わって一段と技巧を凝らしたもので、音色、息使いなど笛の魅力を...

序破急(じょはきゅう)

能・狂言の演出理論のひとつで、構成・演出・速度などを3段階に分けた考え方...

申し合わせ(もうしあわせ)

能・狂言の「リハーサル」のこと。通常、上演当日の数日前に諸役が集まり、当日と同様の流れで行われる。面...

替間(かえあい)

狂言方が能の中に登場するものを間狂言というが、通常とは異なる特別な演出で演じることを「替間」という。...

白式(はくしき)

能楽で“白”は最高の位をもつものとして扱われている。通常は色の入った装束を用いるところを、位をあげて...

くつろぐ(くつろぐ)

演者が観客に向いて演技をするのを一時中断した状態。演者が観客に背を向けて後見座に座ったり、囃子方が床...

叱リ留(しかりどめ)

狂言の演出のひとつ。主人が召使を叱るなどの形で一曲が終わるものをいう。たとえば、狂言「しびり」では、...

(だん)

能の中で「区切り」を意味する用語。能はいくつもの段を積み重ねるように構成されており、「ワキの出の段」...

テラス(てらす)

面をやや上に向けることをテラス、一方、やや下に向けることをクモラスという。能は、素顔のことを「直面(...

クモラス(くもらす)

面をやや下に向けることをクモラス、やや上に向けることをテラスという。能は、素顔のことを「直面(ひため...

笑イ留(わらいどめ)

狂言の演出のひとつ。一曲が大笑いで終わるものを言う。たとえば、狂言「酢薑(すはじかみ)」では、酢売り...

(ならい)

特別に伝授を受けなければ上演が許されない曲・演技・演出のこと。習の曲を演じるには、技術的・精神的に高...

片幕(かたまく)

揚幕の向かって右側(橋掛リの裏側)を、人ひとり通れるくらい開けること。囃子方・後見・語り間(かたりあ...

本幕(ほんまく)

揚幕を、2本の竿を用いて内側いっぱいに引き上げること。装束をつけた演者の登退場は、通常、本幕である。...

半幕(はんまく)

後シテの出に際し、揚幕の下半分を巻き上げて、幕内にいるシテの姿を見せること。特殊演出の一環であり、通...

物着(ものぎ)

舞台上で演者の扮装を変えること。装束の一部を替えたり、烏帽子(えぼし)などの被り物をつけたり、さまざ...

小書(こがき)

能、狂言の特別な演出のこと。番組の曲名の左脇に、演出の名称が小さく表記されることから「小書」という。...

クリ(くり)

能の一曲は、いくつもの小段が連なって構成されている。「クリ」はその小段の名称のひとつ。導入歌の役割を...

待謡(まちうたい)

後ジテなどの出を「待つ」ワキが謡う謡の小段。能の後半への導入歌であり、舞台を後場の雰囲気に集中させる...

道行(みちゆき)

登場人物が旅行をする場面を表す小段。地名、風景、旅の様子などを謡うことが多い。ワキが名ノリのあとに謡...

仕舞(しまい)

シテの所作の見どころを抜き出して紋付・袴姿(裃(かみしも)姿のこともある)で舞う上演形式。囃子は入ら...

シオリ(しおり)

泣いていることを表す所作。指を伸ばした手を、顔より少し離れた前方で目を覆うように上げて、こぼれる涙を...

名ノリ(なのり)

能、狂言で舞台に登場した人物が、自己紹介や場面設定などをすること、またはその部分の小段。能「東北(と...

五番立(ごばんだて)

江戸時代に能が幕府の式楽としても演じられるようになると、正式な上演形式は一日五番と定められた。その上...


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